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文化財センターについて

常設展は、国宝藤ノ木古墳出土品の主なもの60点の精巧なレプリカ(複製品)を中心に展示をしています。世界で類例のないほど優美な金銅製鞍金具の精緻な文様については、高さを低くした展示ケースで、間近にご覧いただくことが可能です。

常設展示

こんどうせいくらかなぐ(まえわ)金銅製鞍金具(前輪)

木製の鞍の前面に取り付けられた飾金具です。装飾の優れた海金具は六角形を並べた亀甲繋文(きっこうつなぎもん)によって区画され、交点には紺(こん)色のガラス玉がはめこまれています。亀甲内には鳳凰(ほうおう)や竜(りゅう)、獅子(しし)、パルメットなどの文様が透(す)かし彫りされています。なお、中央部は欠失しているため、形状はわかりません。

こんどうせいくらかなぐ(しずわ)金銅製鞍金具(後輪)

木製の鞍の背面に取り付けられた飾金具です。海金具の亀甲(きっこう)内には、象、鳳凰(ほうおう)、竜(りゅう)、鬼面(きめん)、獅子(しし)、パルメットなどの文様が透(す)かし彫りされています。また、中央部には、紺(こん)色のガラスで装飾された把手(とって)が取り付き、その台板には、右手に大刀(たち)、左手に斧(おの)を持つ鬼神(きしん)が表現されています。

こんどうせいきょくようけいぎょうよう金銅製棘葉形杏葉

杏葉とは、馬の胸部や尻部の革帯(かわおび)に取り付けられた装飾(そうしょく)性 豊かな馬具です。 棘(とげ)のある葉の形を表現した鉄板と金メッキを施した銅板を重ね、その上に、向かい合った姿の鳳凰(ほうおう)とパルメット文が透(す)(す)かし彫(ぼ)りされた金銅板を 重ねて鋲(びょう)で留められています。

こんどうせいりゅうもんかざりかなぐ金銅製竜文飾金具

沓底(くつぞこ)形に似た平らな金具の先端をとがらせた形状です。鉄板・金銅板・金銅製透(す)かし板の計3枚の金属板を重ねて、鋲(びょう)留めしています。 文様は、口を開けた右向きの竜で、目には紺(こん)色のガラス玉がはめこまれています。また、竜文と縁金(ふちかね)との間には、パルメット文が見られます。

こんどうせいかんむり金銅製冠

北側被葬者(ひそうしゃ)の足元から、2つに折られた状態で出土しました。二山(ふたやま)をなす広い帯部(おびぶ)と、波状の文様を組み合わせた樹木のような形の立飾り(たちかざり)からなり、鳥形や剣菱形(けんびしがた)、ゴンドラ状のデザインが見られます。また、全体を花弁形(かべんがた)や鳥形の歩遥(ほよう)で装飾しています。

こんどうせいくつ金銅製履(A)

北側被葬者(ひそうしゃ)の足元から、石棺の内壁に立てかけた状態で出土しました。履の表面の銅板には直線と列点(れってん)によって六角形の亀甲繋文(きっこうつなぎもん)が施され、全体にねじった針金で円形や魚形の歩揺(ほよう)がついています。内面には織物(おりもの)が残っており、履(は)(は)き口には錦(にしき)の縁取(ふちど)りが見られます。

こんどうせいくつ金銅製履(B)

南側被葬者(ひそうしゃ)の足元から、履底(くつぞこ)を上に向けた状態で出土しました。履の表面の銅板に施された亀甲繋文(きっこうつなぎもん)は履(くつ)(A)とは異なり、列点(れってん)のみで表現され、歩揺(ほよう)は先端を尖らせた木葉形(このはがた)をしています。履(くつ)(A)と同様、内面に織物(おりもの)が残っており、履(は)き口には錦(にしき)の縁取(ふちど)りが見られます。

たままきのたちつかがしら玉纏大刀把頭

玉纏大刀(大刀1)は、全体を銀板と金銅板で装飾した上に、紺(こん)のガラス玉を散りばめた、豪華な日本風の大刀です。 把の先の部分(把頭)は平面がくさび形で、頂部には半円形をした鉄地金張のねじり環頭が取り付けられています。 なお、金銅製の三輪玉(みわだま)は、拳(こぶし)を守るように取り付けられた金具の上に、飾りとして固定されていました。

ぎょはい魚佩

魚佩は、腹部で接する2匹の魚の形を した金銅板(こんどうばん)に、目・口・鱗(うろこ)・鰭(ひれ)を線刻(せんこく)して、魚を表現している大刀(たち)飾りです。 従来、この魚佩は腰部を飾る装身具ではないかと考えられてきましたが、藤ノ木古墳の発掘調査の結果、大刀に付属していた装飾品であることがほぼ確定しました。

こんどうせいつつがたひん金銅製筒形品

中央部で細くくびれた、杵(きね)や鼓(つづみ)のような形をしており、扇状の銅板2枚をまるめ、表面に円形の歩揺(ほよう)161個を針金で綴(と)(と)じ付けて出来ています。 用途はわかりませんが、一部に繊維物が残っていることから、何かにくくりつけていたとみられ、南側被葬者(ひそうしゃ)の頭飾りとする考えがあります。

じゅうたいきょう獣帯鏡

この銅鏡(鏡1)は、南側被葬者(ひそうしゃ)の頭部付近より出土しました。 鏡背の主文様帯には大きな7個の突起(乳〔にゅう〕)があり、乳間の各区画には6体の獣(けもの)と1体の神仙(しんせん)が見られます。銘(めい)帯には「宜(ぎ)」「子(し)」「孫(そん)」の銘が刻まれています。 同型鏡には、宮崎県持田(もちだ)1号墳出土鏡などがあります。