法隆寺の宝物はもっとあった
明治の廃仏毀釈の嵐は、法隆寺でも吹き荒れ、寺は未曽有の危機に陥っていました。
この時期に法隆寺管長であった千早定朝は、熟慮の末、思い切った英断をくだします。聖徳太子に関する宝物など300点余りを皇室に献納したのです。これにより、1万円の御下賜金が下り（現在の数億円ともいわれる）、法隆寺は財政的な危機を乗り越えました。また、宝物を宮中に献納したことにより、明治維新の混乱の時代に、聖徳太子ゆかりの大切な宝物が散逸することがなかったことからも、勇断とされています。
国宝も多数含まれている法隆寺献納宝物は、現在は、東京国立博物館の「法隆寺宝物館」で見ることができます。
東京国立博物館・法隆寺宝物館