竜田御坊山古墳群〈龍田周辺エリア〉

3号墳のみ、奈良県教育委員会により調査が行われ、直径8m、高さ2.5m程度の円墳と推定されています。

また、花崗岩製の横口式石槨内に、黒漆塗の陶棺があり、内部からは人骨が発見され、身長150㎝、14~15歳の男性と鑑定されています。

副葬品としては、「三彩有蓋円面硯」と「ガラス製管状品」、「琥珀製枕」が出土し、これらは中国などでも類例の少ないものであるため、重要文化財に指定されました(奈良県立橿原考古学研究所付属博物館にて常設展示中)。

1号墳の発見状況の聞き取り調査からは、石室内より3体の人骨があったとのことで、また、仏教文化の影響のもと作られたとみられる「金銅製八花形金具」が採集されました。

主な副葬品に関しては、唐よりもたらされたと考えられており、当時の外交に携わり、入手できた人物が葬られていたのではと推定されています。また、法隆寺や斑鳩宮とも近いこと、調査結果により導き出された7世紀中頃という築造年代、年齢の若い人骨の鑑定結果、急ごしらえの埋葬のされ方などの色々な条件を考慮し、聖徳太子一族の一員ではないかとする考え方もありますが、詳しいことは明らかとなっていません。


※竜田御坊山古墳群は現存しておりません。龍田神社の北方の丘陵あたりにあったとされています。


基本情報

所在地
奈良県生駒郡斑鳩町龍田1丁目5番3号
アクセス
JR法隆寺駅より徒歩25分
JR大和路線王寺・近鉄線王寺または、近鉄橿原線筒井駅から奈良交通バス「竜田神社前」下車すぐ