神代古墳 〈龍田周辺エリア〉

神代古墳は、北東からのびる丘陵の先端部の南向き斜面に立地しており、瀧谷(春日)神社境内にあります。古墳の状況は、「コ」の字形に配置された3枚の板石が地表面に露出し、石材は花崗岩で、上面が平らに加工されており、側面の内側も同様に加工されていると思われます。これらの石は石室の一部で、このうち西側の石は外側(西側)に傾いていますが、元は東側の石と同様に垂直に立っていたもので、北側の石が奥壁(約1.6m)、南側の東西の石が側壁(東:約2.5m、西:約2.1m)です。これらの石の上には本来、天井石があったものが取り去られ、その内部が土で埋まってしまったものと考えられます。なお、南側は崖面となっているため、南側に石が続いていたかどうかなど詳しいことはわかっていません。
出土遺物については知られていないため、いつ頃につくられたか明らかではありませんが、花崗岩を切石状に加工していることや、東方にあった「竜田御坊山古墳群」の存在などから、7世紀前半から中頃の古墳と考えられ、斑鳩地域における飛鳥時代を考えるうえで貴重な古墳です。

基本情報

所在地
奈良県生駒郡斑鳩町龍田3丁目8-10
アクセス
JR大和路線王寺・近鉄線王寺から奈良交通バス「斑鳩交番前」下車徒歩約4分